i-LIFT工法

傾いたり、沈下した住宅を
簡単にリフトアップ

住宅の傾きや沈下は、地形的な要因や人為的な要因により生じる地盤の支持力不足から起こり、近年増加する傾向にあります。
i-LIFT工法は地盤内部にグラウトを注入して、傾斜したり沈下した建物を持ち上げて元に戻すとともに地盤の支持力を高めることができる工法です。
i-LIFT工法は施工精度が高く、振動・騒音の発生が少なく、しかも注入に使用するグラウトの材質は環境に負荷を与えない、確実で安全な工法です。

施工実績: 260件(2018年12月現在)

i-LIFT工法の特徴

  • 3つのi (injection = 注入) により確実な工事が可能です。
  • 高精度なレベル計測器で常時計測しながら注入するので、レベルの微調整が可能です。
  • コンパクトな機械で施工するので、隣接家屋との間隔が少ない場所でも工事が可能です。
  • 従来の工法に比べ工事期間の短縮が可能で、また、天候に左右されずに工事が可能です。
  • 建物の基礎構造による制限がなく、すでに地盤改良を施してある場合でも施工が可能です。

3つのiでリフトアップ完成

1-i: 傾いたり沈下した建物を支えるため、支持層上にグラウト注入を繰り返し行い、「支持盤」を形成する。<br>
                        2-i: 建物の基礎補強のため、基礎下部にグラウトを注入して「リフト盤」を形成させる。<br>
                        3-i: 「支持盤」と「リフト盤」の間に「リフトアップ注入」を行い、「リフト盤」ごと建物を持ち上げる。<br>
                        完成: 建物各部のレベルを確認しながら微調整して工事を完成させる。

環境にやさしい工法です

i-LIFT工法に使用するグラウトは、主に瞬結タイプのセメント系注入剤です。瞬結タイプのため注入時に周囲への逸散が少なく、周辺環境への負荷がありません。また、化学的にきわめて安定した物質ですので、地盤の支持強度を長期にわたり保つことができます。

住宅の傾きや沈下の状況に応じたリフトアップが可能です

確実なレベル調整が可能です。

i-LIFT工法はレーザー光を利用したレベル測定により、施工前後および施工途中の建物の高さや傾斜を高精度で確認することができます。
また、必要に応じてコンピュータ制御による3次元傾斜測定装置を利用して、リアルタイムに傾斜の測定を行いながら施工します。

i-LIFT工法は地盤の「沈下防止対策」にも応用できます

i-LIFT工法の設計

  • 地盤調査データ・沈下測量データの収集
  • 地盤調査データ・沈下測量データの収集から、以下の検討を行います。

    1. 被害状況の把握
    2. 建物条件: 建物の大きさ、基礎形式、地盤改良の有無、築年数など
      建物のレベル測量: 建物の沈下量がどの程度あるか

    3. 沈下要因の把握
    4. 地盤調査データに基づき、なぜ不同沈下が生じたのかを把握します。
      建物建設前の地盤調査データなどがあればそれを利用します。建設後に近隣で造成工事などが行われ、周辺環境の変化が沈下要因として考えられる場合にはあらためて地盤調査を行う必要があります。

    5. 沈下が今後も進行する可能性があるか
    6. 注入工法はそれまで水や空気で満たされていた土中の間隙を注入材に置換するため、改良層の重量が増加します。そのため、改良層以深の地盤がその重量増加に耐えられる(圧密沈下しない)層でなければなりません。
      これは地盤データや築年数などである程度把握できますが、沈下被害の多い地形・地域では、別途、地盤調査による把握が必要です。この場合、土質試料採取による圧密試験や三成分コーン貫入試験などの地盤調査で推定します。

  • 注入対象土量の算出
  • リフトアップに効率的な注入範囲(水平方向)、注入深さ(鉛直方向)を検討します。
    基本的には建物の沈下が著しい範囲を集中的に注入します。注入深さは表層地盤面から2.0〜3.0m程度です。
    リフトアップ時に地盤鉛直方向の地盤反力が不足する場合、その下層を注入して改良することもあります。また、リフトアップを行うと建物隅の地盤に地割れ(クラック)が生じます(写真参照)。このクラックをそのままにしておくと雨水などが浸透しやすくなり、浸透した水が地盤を緩めて再沈下する可能性があるため、修正後に建物脇の表層部に注入して地割れ部分を改良します。

    注入後に生じた地割れ

  • 注入材料、注入方式の選定
  • 地盤調査を基に、ジャッキアップに有効な注入材料、注入方式を選定します。i-LIFT工法では、主に瞬結型懸濁材料、二重管単相方式を使用することが多いです。

  • 注入量の算定
  • 注入対象土量に、土質に応じて決定された注入率(下表参照)を乗じて注入量を算定します。なお、算定された注入量は沈下修正に必要な量の目安であり、実際の注入量はリフトアップの変動に応じて調整します。

    土質に応じた注入率
    土質 N値 間隙率 ρ(%) 溶液型 懸濁型
    充填率 α(%) 注入率 λ(%) 充填率 α(%) 注入率 λ(%)
    粘性土 ゆるい 0 〜 4 70 55 38.5 50 35
    中位 4 〜 8 60 50 30 45 27
    締まった 8 〜 15 50 30 15 25 12.5
    砂質土 ゆるい 0 〜 10 50 80 40 70 35
    中位 10 〜 30 40 80 32 70 28
    締まった 30以上 30 70 21 60 18
    砂礫土 ゆるい 10 〜 30 50 80 40 70 35
    中位 30 〜 50 35 80 28 70 24.5
    締まった 50以上 25 80 20 70 17.5

  • 注入孔配置の設定
  • 傾斜した建物の下部へ、建物の周囲から斜めに削孔するので、削孔長が極力短くなるように配置を設定します。

i-LIFT工法の施工

  • 注入準備: 注入プラントの組み立て、建物変異計測器を設置します。
  • 削孔(注入管設置)
  • 注入: 変異を監視しながら注入します。
  • 注入完了: 建物変異が規定値に収まるように微調整を行い、注入を完了します。
施工手順
施工例
i-LIFT施工による傾き修正例

i-LIFT工法の運営・指定施工会社

指定施工会社

  • 株式会社グラウト工業
  • 〒239-0831
  • 神奈川県横須賀市久里浜8-5-1
  • TEL: 046-835-7358
  • FAX: 046-835-7961
  • WEB: http://www.grout.jp/
  • ジオテック株式会社
  • 〒170-0013
  • 東京都豊島区東池袋3丁目20-21 広宣ビル3階
  • TEL: 03-5985-8191
  • FAX: 03-5985-5275
  • WEB: http://www.jiban.co.jp/
  • 三井ホームテクノス株式会社
  • 神奈川県川崎市麻生区万福寺1-3-1
  • TEL: 044-952-0931
  • WEB: http://www.mitsui-ht.co.jp/